コーヒーを飲むと逆流性食道炎になる噂は本当?
- Beans Express編集部
- 2019年1月17日
「コーヒーは胃によくない」という噂を耳にしたことがある方は少くないかと思います。
実際に胃が重い、痛い、ムカムカするといった違和感のあるとき、意識してコーヒーを避けている人も一定数いらっしゃいますよね。
一部では、コーヒーの飲み過ぎによる胃酸の過剰な分泌が逆流性食道炎や胃潰瘍といった胃腸のトラブルの原因という説もあると言われていますが、果たして本当なのでしょうか。
そこで今回は、コーヒー好きなら誰もが気になるコーヒーと消化器系の疾患の関係についてご説明いたします。
胃潰瘍や逆流性食道炎とは?
まず、胃の疾患である「胃潰瘍」や「逆流性食道炎」について説明させていただきます。
「胃潰瘍」とは、簡単に言うのであれば「胃壁が傷ついてしまった状態」のことです。
胃の中は通常、胃酸から胃壁を守るために胃粘膜に覆われていますが、何らかの原因で胃酸と胃粘膜のバランスが崩れると、胃壁が直接ダメージを受けてしまいます。
胃潰瘍になると腹痛を起こし、胸やけや吐き気を感じる他、ときには胃壁から出血によって吐血したり、血便が出たりすることもあるのです。
一方、「逆流性食道炎」とは、胃酸や胃の内容物が逆流してしまうことで、食道が炎症を起こす症状のことです。
食道と胃をつなぐ部分には内容物の逆流を防ぐ機構(噴門)があるのですが、何らかの理由でここの働きが悪くなると、逆流が起こりやすくなります。
逆流性食道炎になると胸やけを起こしやすくなる他、胃酸・胃液がこみ上げてきたり、頻繁に曖気(げっぷ)が出るようになったりします。
どちらの症状も、胃酸の分泌過多が大きな原因と考えられています。コーヒーは胃酸の分泌を促進するため、その原因になるのではないか、と見られているわけです。
大規模な研究の結果
では実際に、コーヒーと胃潰瘍や逆流性食道炎の発症に因果関係はあるのでしょうか?
東京大学の消化器内科消化管グループが約9500名の健康な人を対象にこの調査、研究を行いました。
研究ではコーヒーの摂取量だけでなく、対象者の年齢やBMI値、喫煙、飲酒の習慣、ピロリ菌感染の有無などにカテゴリー分けして、胃潰瘍や逆流性食道炎との関係を調べています。
その中から、発症の割合が高かった要因を抜粋したデータが以下です。
臨床実験データ
【胃潰瘍】
ピロリ菌感染……18.55倍
喫煙……3.57倍
高BMI……1.15倍
【逆流性食道炎】
喫煙……1.62倍
飲酒……1.34倍
高BMI……1.13倍
※島本武嗣「406研(旧108研):疫学研究│東京大学消化器内科消化管グループ」[online] https://www.todai-shoukakan.com/cont5/34.html(参照2019-01-08)
胃潰瘍はピロリ菌感染が原因として圧倒的に多く、喫煙や高BMIは胃潰瘍と逆流性食道炎の両方のリスクを高めているのがわかります。
一方、コーヒーの摂取に関しては、どちらの疾患にも有意な影響が見られなかったとされています。今後さらなる検証が必要としながらも、コーヒーによる悪影響はほぼないと結論づけられているようです。
ただし、注意したいのがこの研究結果はあくまでも健康な人を対象にした調査だということ。
健康な人がコーヒーを飲む分には、胃潰瘍や逆流性食道炎のリスクを気にする必要はなさそうですが、すでに胃潰瘍や逆流性食道炎を発症している人は、コーヒーを飲むことで症状を悪化させる可能性を否定することはできません。飲むのは避けるべきでしょう。
また、胃はストレスや寝不足などによってもダメージを受けやすくなります。このような状態のときも、胃酸の分泌を促すコーヒーを大量に飲むのは控えたほうがいいでしょう。
まとめ
以上のことから、健康な人であればコーヒーを飲んでも胃潰瘍や逆流性食道炎などの心配はほぼなさそうです。とはいえ、胃酸の分泌を活発にする作用があるため、飲み過ぎは禁物です。
また、空腹時も胃酸過多になる恐れがあるので、いっしょに何か食べながら飲むのがおすすめです。
胃があまり強くない方や違和感があるときは、深煎りのコーヒーやエスプレッソは避ける。ミルクで割ってカフェオレにするなど、飲み方を工夫するのも有効ですよ。
せっかく飲むコーヒーですから、おいしくて楽しい豊かな時間にしたいですよね!
そんな豊かなコーヒーライフのパートナーに、焙煎したてのフレッシュなコーヒー豆を定期的に届けてくれる通販サービス、Beans Expressはいかがでしょうか?
ベテラン焙煎士がこだわってチョイスしたコーヒー豆を独自に焙煎し、アフターミックスでブレンド。コーヒーがもっともおいしいといわれる焙煎後100時間を目安にご自宅まで届けてくれる、コーヒーの定期通販サービスです。
Beans Expressの詳細はこちらから!