ロブスタ種のコーヒーの魅力と特徴
- Beans Express編集部
- 2019年1月25日
コーヒー豆は産地だけでなく、非常にたくさんの品種が存在しますが、それらの大元をたどると9割以上の品種はアラビカ種、ロブスタ種のたった二つの原種に行き着きます。
現在、世界的に主流となっているのはアラビカ種ですが、今回はもうひとつの品種であるロブスタ種について、その特徴や魅力をご紹介します。
ロブスタ種のコーヒー豆とは?
現存するコーヒーの品種は、その祖先をたどっていくとアラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種のいずれかであり、この3つの品種はコーヒーの「三大原種」と呼ばれています。
このうち、もっともメジャーで広く世界中で愛飲されているのがアラビカ種です。
飲用として流通するコーヒー豆全体の7~8割を占めていて、豊かな風味と酸味を持つことから、とくに品質の高いものはスペシャルティコーヒーとして認定されています。
私たちが普段飲んでいるストレートコーヒー(ブレンドではない単一品種のコーヒー)は、9割以上がこのアラビカ種と言ってもよいでしょう。
ただし、アラビカ種は気候や土壌の影響を受けやすく、栽培できる地域が限られます。理想的とされる土地は、「コーヒーベルト」と呼ばれる赤道付近の高地です。
また、カビの一種である「サビ病」という病気に対する耐性が低く、栽培が難しいとも言われています。
アラビカ種に次いで生産量の多いのがロブスタ種です。
一部でカネフォラ種とも呼ばれているロブスタ種ですが、植物学的にはこのカネフォラ種が正しい名称です。
しかし、ロブスタ種とカネフォラ種が同じ品種であると判明した時点で、すでにロブスタ種の名が定着していたため、その後もロブスタ種として広く知られるようになりました。
このロブスタ種とアラビカ種で、世界中で生産されるコーヒー豆の約99%を占めていて、残り1%が希少種のリベリカ種となります。そのため、コーヒーの原種は実質、アラビカ種とロブスタ種の2つであるとも言われているのです。
ロブスタ種の最大の特長は、病気や害虫に対して高い耐性を持っていることです。
また低地でも栽培ができ、高温多湿な気候にも対応できます。1本の木から収穫できる量がアラビカ種よりも多く、大量生産しやすいのもロブスタ種の強みのひとつです。
主な生産国はベトナムやインドネシアで、19世紀末にフランスによる植民地化に合わせて持ち込まれたのが最初と言われています。
ロブスタ種のコーヒー豆はどんなところで使われる?
ロブスタ種のコーヒー豆は、アラビカ種に比べて取引される単価が安いことからインスタントコーヒーや缶コーヒーなどのコーヒー飲料の原料として用いられています。
また、ロブスタ種の特徴として、麦のような香ばしいアロマや強い苦味を持っていることから、ブレンドコーヒーを作る際のアクセントとしても広く使われています。
とくにアイスコーヒーのようなパンチの効いた苦味を出すには、ロブスタ種はピッタリと言われているそうです。
反対に、ストレートで飲まれることは少なく、コーヒー専門店などでもロブスタ種のコーヒー豆を単一商品として扱っているところはあまり多くないようです。
なお、ロブスタ種のコーヒー豆は、カフェインの含有量がアラビカ種の2倍ほどあると言われています。そのため、カフェインによる脳の活性化や利尿作用なども強いという特徴があります。
ロブスタ種が主流のベトナムでは
ロブスタ種の主要な生産国であるベトナムでは、国内で生産されるコーヒー豆のうちの約9割をロブスタ種が占めています。
それほどの生産量を誇るベトナムですから、当然主流となっているコーヒーもロブスタ種で、おいしく飲むためのさまざまなレシピが存在します。
なかでも有名なのがベトナムコーヒーです。
深めに焙煎したロブスタ種のコーヒー豆をやや粗めに挽き、金属製のフィルターで抽出したコーヒーにたっぷりの練乳(コンデンスミルク)を入れるのが一般的な飲み方とされるベトナムコーヒー。
甘くて濃厚なその味わいはコーヒーキャンディに似ていて、一度飲むと病み付きになる人も多く、現在ではバターやチョコレートなどで風味づけするアレンジレシピも人気だそうです。
このベトナムスタイルは日本でも広まりを見せていて、最近では本格的なベトナムコーヒーが楽しめる専門店も増えているとか。興味のある方はぜひ探してみてください。
まとめ
普段はアラビカ種の影に隠れて、あまりクローズアップされることのないロブスタ種のコーヒー豆ですが、インスタントコーヒーやブレンドに用いられるなど、意外と身近な存在です。
商品によっては原材料の欄に「コーヒー(アラビカ、ロブスタ)」といった表記がされているものもあります。
これからコーヒーを飲むとき、買うときには、こうした品種の表記や違いにも注目してみると、コーヒーの楽しさがより一層広がりそうですね。
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