シングル・ストレート・ブレンドって何が違うの? 意外と知らないコーヒー豆の種類と違い
- Beans Express編集部
- 2018年7月20日
コーヒー豆を専門に扱っているお店に行くと、「シングルオリジン」「ストレート」「ブレンド」などの表記をよく見かけると思います。でも、その意味をちゃんと理解している人は少ないようです。
じつはこれらの表記は、それぞれの商品(コーヒー豆)の種類を表す言葉で、コーヒー豆を選ぶ際の大きなヒントとなります。
今回は「シングルオリジン」「ストレート」「ブレンド」のそれぞれのコーヒー豆の種類と特徴についてご紹介していきます。
シングルオリジンとは
「シングルオリジン」とは、ひとつの農場で生産された豆だけを使ったコーヒー豆の種類のこと。同じ国や地域でも農園ごとに生産環境は異なるため、その農園ごとの個性を生かしたコーヒーといえます。
これまでは後述する「ブレンドコーヒー」が主体でしたが、近年クオリティの高いコーヒー豆を生産する農園が増えたことで、農園ごとの個性を味わいたいというニーズが高まり、「シングルオリジン」という新しいコーヒー豆の種類が注目を集めるようになりました。
たとえばワインでは、同じフランス・ボルドー産のワインでも生産者ごとに「シャトー○○(生産者名)」と名前をつけて区別されます。お米ならコシヒカリという品種の中に魚沼産というブランドがあり、さらに生産者ごとに商品が分かれていたりします。
「シングルオリジン」もこれらとまったく同じ。
例)
ニカラグア エル・リモンシージョ農園
(生産国名) (農園名)
上の例のように生産国(ニカラグア)に続けて、農園の名前(エル・リモンシージョ農園)も合わせて表記することで、生産者ごとの違いを明確にしています。
「シングルオリジン」のコーヒー豆は、生産地や生産者、品種、精製方法などがはっきりしていて、品質が保証されているのが大きな特徴です。“生産者の顔が見えるコーヒー”といってもいいでしょう。
最近のコーヒーブームの影響もあり、コーヒー専門店以外のレストランやカフェなどでも「シングルオリジン」の豆を使ったコーヒーが飲めるようになりました。
一般的なコーヒーに比べ、値段は少し高めですが、その味わいや香りの良さは別格ですので、見かけたらぜひ一度味わってみてください。
ストレートとは
「ストレート」は、同じ地域で生産されたコーヒー豆だけを使ったコーヒーの種類です。「ブラジル」、「コロンビア」、「キリマンジャロ」といった地名がそのまま商品名になっているコーヒーは、多くの場合ストレートになります。
「シングルオリジン」よりざっくりとした分け方ですが、その地域ごとの特徴を楽しめるコーヒー豆の種類としてこれまで親しまれてきました。
たとえば、ブラジルは苦味と酸味のバランス型、エチオピアは酸味が強くフルーティーといった具合に、今でもこの「ストレート」の分類を基準に、コーヒー豆の味わいや傾向を語ることが多いです。
ただ、前述したように同じ国や地域でも、農園の立地や環境、生産者ごとに違いがあり、当然収穫できるコーヒー豆の品質もバラバラです。
それらのコーヒー豆をひとまとめにすると、クオリティの高いコーヒー豆の個性が埋もれてしまうため、「シングルオリジン」という、より厳密な分類が注目されるようになってきました。
ブレンドとは
「ブレンド」は、さまざまな国や地域、品種のコーヒー豆を混ぜ合わせて作ったコーヒーの種類のこと。
「シングルオリジン」「ストレート」「ブレンド」の3種の中ではもっとも広く普及しているコーヒー豆の種類で、通常コーヒーといったらこの「ブレンド」のことを指すケースが多いです。
さまざまなコーヒー豆をブレンドする(=混ぜる)ことで以下のようなメリットが生まれます。
まず、コストを下げて大量生産できるということ。さまざまなグレード、特徴を持つ豆をブレンドすることにより、味や香りを平均化し、よりリーズナブルで安定した価格での提供が可能となります。
「シングルオリジン」のように際立った個性はありませんが、誰でも気軽に楽しめ、しかも万人受けするタイプのコーヒーの種類といえるでしょう。
もうひとつは、「シングルオリジン」のコーヒー豆だけでは表現できない、新たな味わいを作り出せることです。
こちらはコスト面よりも味へのこだわりに関するものですが、お店独自のブレンドを行うことで、その店ならではのコーヒーを生み出すこともできます。
そういう意味では、ブレンドコーヒーという種類には無限の可能性があるといってもいいでしょう。
以上のように「シングルオリジン」「ストレート」「ブレンド」のコーヒー豆には、それぞれ目的と特徴があります。
好きな産地が決まっている方やいろいろな味を試したいという人は「シングルオリジン」や「ストレート」を、あまりコーヒーには詳しくない、普段遣いの気軽に飲めるコーヒーがほしいという方には「ブレンド」がおすすめです。
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焙煎やブレンドを行うお店によっても味わいはさまざまですので、いろいろな種類のコーヒー豆を試してみて、お気に入りの一杯を探してください。